Values


価値観とは、善、悪、好ましい事、好ましくない事、と言った価値を判断するものの見方、つまり良いか悪いかの判断をする基準の事です。
ホフステードはこれを、感情にプラスとマイナスの向きがついたもの、と言っています。それらの例として、以下のような価値があります。

• 善 vs. 悪
• 清潔 vs. 不潔
• 安全 vs. 危険
• 許される vs. 禁じられる
• 礼儀正しい vs. 無礼  
• 道徳的 vs. 不道徳的
• 普通 vs. 普通でない

例えば、同じ行動を見たとしても、一つの文化ではそれがプラスと受け取られ、別の文化ではマイナスと受け取られる基準が変わってくると言う事です。

例えば、善悪などは色んな文化で共通している事が多いですが(人の物を盗む、人を殺す、など)、何が礼儀正しくて何が無礼か、何が道徳的か不道徳的か、何が普通か普通でないか、などは文化によって大きく異なってきます。

例えば、自分の意見を主張する、という行動は、アメリカのような、自己主張が好まれる価値観の国では好ましいと判断されても、日本のような、周りの空気を読んで、必要以外の時には自己主張をしないという価値観をもった国では、好ましくないと判断される事があります。

実際、アメリカにいるアジア人の管理職は自己主張をしないため、リーダーシップ能力が欠如していると思われ、自己主張がリーダーシップに必要と思われるアメリカでは昇進されにくい、というデータがあります。

他に私の知っている例で言えば、日本人との大事な商談にアメリカ人が若いエンジニアを送り込んだ事で商談が成立しなかった、と言う事があります。

アメリカではスキル重視で人を雇うので、実力さえあれば若くても役職に就けるのに対し、日本では新卒で採用された後は、年月を経るごとに経験を積み、年功序列で年を取るごとに役職が上がっていく(逆に言えば、若いうちは経験がない)という違いがあります。

なので、アメリカ側が、若くても実力のあるエンジニアを日本の企業の商談に送った場合、アメリカ側からしては一番スキルのある人材を送っているつもりが、日本側としては、自分たちの価値観から、こんな若造(若い=経験がない)を送るなんてけしからん!と、アメリカ側に見下されてると思い、商談が破談になる、と言う事が起こるわけです。

異文化ビジネスではこのように、往々にして、相手の不快にさせようと思ってしたことでなくても、文化によって受け取られ方が異なり、知らず知らずのうちに相手の気分を害しているという事が起こるので、要注意です。

それでは、文化によって、他に、どのような違いがあるのでしょうか?
それを次回から説明していきます。

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