ホフステードの第四の次元は「不確実性の回避」です。
不確実性の回避とは、その社会の人々が、どの位、あいまいな状況や未知の状況に対して脅威を感じ、それを避けようとするか、という事です。つまり、不確実性の回避が強い文化とは、不安を感じやすい文化と言う事もできます。
不確実性の回避が強い文化は、未知の事に対しての不安度が高く、その為規則が厳しく、自殺率が高く、人々は感情は肯定的な感情も否定的な感情も表に出し、憂さ晴らしの為にアルコールの摂取量が多いのが特徴です。
逆に、不確実性の回避が弱い文化は、未知の事に対しての不安度は低く、その為規則はそこまで厳しくないけれど、心臓病が多く、感情は大っぴらには表現しない為、ストレスは内部にため込み、刺激が足りない為、カフェインの摂取量が多いのが特徴です。
不確実性の回避の度合いを表すUAI指標では、数値が高いほど不確実性の回避度が強く、数値が低いほど不確実性の回避度が弱くなります。
日本のUAI指標は92で、世界においては11番目に不確実性の回避が強い文化です。
不確実性の回避が強い社会と弱い社会の違いの身近な例としては、
< 家 >
不確実性の回避が強い:
子供へのしつけで何が汚いか、何が禁止かがきつく決まっている
家庭内はストレスが多い
不確実性の回避が弱い:
子供へのしつけで何が汚いか、何が禁止かはあいまい
家庭内はストレスが少ない
< 学校 >
不確実性の回避が強い:
生徒は体系的に学ぶのに慣れており、正しい答えを求める
先生は全ての回答を知っているべき
先生は物事を親に報告する
不確実性の回避が弱い:
生徒は制約のない学習方法に慣れており、良い議論に関心を持っている
先生は「知らない」と言う事もある
先生は物事に親を関与させる
< 組織 >
不確実性の回避が強い:
転職は少なく、1か所で長く働く
例え守られなくても、規則が必要という感情的な欲求がある
忙しくしていて一生懸命働く必要がある、という感情的な欲求がある
管理職は日々の業務に関心がある
自営業が多い
不確実性の回避が弱い:
転職が多く、就職期間は短い
必要以外の規則はあるべきではない
必要な時のみ一生懸命働く
管理職は戦略に関心がある
自営業が少ない
ちなみに、アメリカと日本の不確実性の違いは以下の通りです。
世界において、不確実性の回避が強い国:
ギリシャ (112)
ポルトガル (104)
グアテマラ (101)
ベルギー(オランダ語圏)(97)
ロシア (95)
エルサルバドル (94)
ベルギー(フランス語圏)、ポーランド (93)
不確実性の回避が弱い国:
インド (40)
マレーシア (36)
イギリス、アイルランド共和国 (35)
中国、ベトナム (30)
香港、スウェーデン (29)
デンマーク (23)
シンガポール (8)
他の国との違いもここで見る事ができます。
ホフステード指標
https://www.hofstede-insights.com/country-comparison/
次回は、第五の次元、長期 vs. 短期未来志向、です。
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