strength

前回の記事続きです。

今回のこの記事を書く前に一つ言っておきたいのですが、私は皆が皆好きな事や得意な事をして生きていける、もしくは生きていくべき、とは思っていません。それは、「好きな事や得意な事=世間でニーズがありお金が入る事」、とは限らないし、また人によって人生におけるプライオリティ(優先順位)や価値観が違うからです。(人生の段階にもよりますが。)

例えば、就職したての20代の頃と家族を持った30-40代の頃、子供が手を離れる50代の頃では何が一番大切かは変わってきますね。働き始めで若くてシングルで子供もいない頃は1人前に仕事が出来るように仕事に時間を費やすのが大切かもしれないですし、子供を育てなくてはならない時は家族をちゃんと養うと言う意味で安定した生活を築くのが最優先事項になるでしょう。ある程度貯金も貯まり、子供が手を離れたらお金を稼ぐよりも自分のやりたい事にエネルギーを費やすかもしれません。

よって、「好きな事、得意な事を生かして生きるべきか?」という事に対する私の答えは、”It depends” (時と場合による)、です。食べる事も犠牲にして自分の好きな、もしくは得意な事をして生きていく、というのも人によってはありでしょう。ですがそうする前に、自分は今、「生活のレベルを保つのが大切」なのか、「お金が無くても好きな事をやりたい」のか、一度じっくり考えて見るのも良いかもしれません。ということで、これらを踏まえて自分の得意をどう探すか、という話をしたいと思います。

それでは自分の得意な事とは何か。それを考える前にまず「得意な事」と「自分が簡単に出来る事」とは別物だと考えてください。世の中には要領の良い人、学ぶのが早い人達がいて、何でもやらせるとすぐに出来ちゃったりします。はたから見ると「オー!」と思うのですが、でもこれがその人の「得意な事」や、「才能」だと思うのは早計です。最初にすぐ基礎ができるからって単に要領が良いだけで、その後が続かない事が多いからです。以前、ダンスの先生やオリンピックのコーチに、「上手くなるのに才能はどの位必要ですか」、と聞いたことがあります。そしたらどちらも、「世間で言われる才能とか学んですぐ出来るようになるという特性は将来上手くなるかどうかには一切関係ない。一番大切なのは、努力し続けられる事だ」と言っていました。

つまり、自分の得意な事とは自分がそれをする事が好きで、(下手でも)頑張り続けるのが苦にならない事、と言ったら良いでしょうか。好きでやっていると何が起こるか。好きな事は苦だとか仕事だとか思わないので時間が経つのも忘れて努力し、やり続けます。そうすると、最初そこまで上手くなかったとしても、何時間もかけるうちに上手くなり、始めた頃要領が良くすぐに上手くなった人を次第に追い越してしまうのです。(プロは下積みに1万時間かけている、と言われるのはこういう事かと思われます)

これは私が以前推奨した本、Grit「やり抜く力」にも何例も出てきます。世界で成功している人達(チェスでもバスケでもビジネスでも)で最初からすぐに上手くなった人というのはどちらかというと少数なのではないでしょうか。最初はその人達は要領の良い人達よりも学ぶのは遅かったかもしれません。でも好きでコツコツとずっとやっているうちに、要領が良くてすぐ出来るようになっても壁にぶつかるとすぐ辞めてしまう人たちを追い越してしまうのです。カメが遅くてもうさぎを追い越す原理と一緒です。(カメが歩くのが好きだったかどうかは別ですが)

ここで一つ気を付けなければならないのが、「好きな事をする」=「嫌いな事をしない」ではないということです。好きな事はそれは続けたら良いでしょうが、自分は好きではなくてもどうしてもしなくてはならない(自分の為にした方が良い)事も人生には沢山あります。歯磨き、洗濯、良い生活習慣を保つ、など。例えば私は走る事は大嫌いだと書きましたが、でも、最近は週に何回か走るようにしています。それは何故かと言うと自宅謹慎が始まってジムが閉まり、好きな踊りにも行けなくなって、ずっと家にいてデブってきたからです。(笑)走れば好きになるかと思いそうですが、それは間違いです。今でも嫌いです。でも!自分にとって「太る恐怖」の方が「走る事への嫌悪感」よりも勝る為、仕方なく、です。(笑)

本題に戻ると、どうやって得意な事を探すか、の答えとしては、再度言いますが、「自分が好きで長くやっていても苦にならない事」を見つけることです。一つ注意は、「好きな事」=「ワクワクする事」と思い込まないことです。私も簡単には「ワクワク」しない性質なので、自己啓発書などで「ワクワクする事を探す」、などと言われてもピンときませんでした。でも自分の生活の中で何をやっている時に時間が経っても気にならないか、と考えた時、「あ、これがきっと私が好きな事なんだな」と気づいたのです。(例えば週一でこのブログを書く事など)なので自分の感情よりも行動パターンを見て「時間を費やしてるけど苦になってないな」という事を見ていくと得意な事がわかってくるかもしれません。

最後に、仕事に得意を活かすかどうかについて。もちろん仕事で得意な事を活かせたら素晴らしいでしょう。自分も時間を惜しまず頑張るし、会社も適材適所で出来ない事をできるように教え込むトレーニングなどの時間も省けます。でも会社に入ってすぐにそういう部署に配属されるとは限りませんね。これは日本だけではありません。私の以前のアメリカ人の上司も入って最初の10何年間にやらされた仕事は特に好きな仕事でもなかった、でも40代近くになってやっと自分がすごく合っているという部署に配属され、楽しく仕事をしている、と言っていました。彼は元々人が好きな人なのですが、元々エンジニアで装置相手に仕事をしていたのがトレーニング部に配属されて人を育てる仕事に付き、みるみる才覚を伸ばし、今では会社のほぼトップまで上り詰めているそうです。

このような例から、新しい仕事について自分に合ってないからと言ってすぐに辞めると言う事はあまり推奨しません。なぜかというと、仕事というのは業務内容にも色んな要素があり、特に新人の場合などは「自分にどういう業務が合っているのか、自分がどういう業務が得意なのか」という経験が圧倒的に不足しているからです。特に自分でも何が得意かが分からないのに好きか嫌いかで決めるのは早急すぎます。なのでそういう時は何か月、もしくは何年か真剣にやってみて見極めるしかありません。だからと言ってモラハラが多くブラックの会社に身をすり減らしてまでしがみつけと言っている訳ではありませんが。

でも、長年働いてみて、「どうもこのままの人生は自分は嫌だな~」というような時は自分と自分のしている仕事の相性を見てみてください。これは「自分を知る」ワークシートと言って、私が昨年母校の高校で生徒に話した時に高校生向けに作成した資料です。これと自分の仕事を照らし合わせる事で、どれだけ自分に今の仕事が合っているか分かるかもしれません。

Know yourself

ちなみに私の結果はこれ。以前組織で会社員として働いていた時と今の自分の仕事形態を比べた時のものです。私の前の仕事が如何に私の希望と外れていて、今の仕事形態が合っているか一目瞭然ですね。確かに前より収入はありませんが、幸せ度は以前の10倍ほどあります。(笑)

志學館プレゼンテーション

最後に、最近叔母に勧められて見始めた勝間和代さんの動画の中に、「無駄な努力と正しい努力の見分け方」というのがありましたので、興味のある人は見てみてください。


「Grit 、やり抜く力」を購入したい方はこちらの「Amazon リンク」をクリック↓
Grit
Amazon リンク





「異文化空間」のページをフェイスブックに作りました。
ブログ以外の事も載せていきますので是非フォローを!
Facebook

Lineで更新通知を受け取りたい方は下のボタンをクリック!


ブログランキングに参加しています。

海外進出ランキング