さて、ホフステードの第一の次元は「権力格差の違い」です。
権力格差、とは、「その国において、権力の弱い人々が、どれだけ権力の不平等を受け入れているか」と言う事です。
権力格差の大きい国では、子供は大人を尊敬することが当然と思われ、権力がある人と無い人とが権力、収入に差があるのも当然とみなされます(権力格差を受け入れる)。
逆に、権力格差の少ない国では、子供は大人と対等に扱われ、権力がある人と無い人とが権力、収入に差があるのは当然とは思われません(権力格差を受け入れない)。
また、権力格差が大きい国では、親と子、教師と生徒、上司と部下、などの関係で、権力のあるものに権力が無いものが依存する、という図式が成り立ちますが、権力格差が小さい国では権力があるものと無いものは同等の関係を取ります。
権力格差を表すPDI指標では、数値が高いほど権力格差が大きく、数値が低いほど権力格差が小さくなります。
日本のPDI指標は54で、世界においては大体真ん中くらいです。
権力格差の違いの身近な例としては、
身近な例としては、
< 家 >
権力格差が大きい:
親は子供に従順である事を求める。
権力格差が小さい:
親は子供を対等に扱う。
< 学校 >
権力格差が大きい:
先生はなんでも知っている専門家と思われ、尊敬される。
権力格差が小さい:
先生には何でも聞いていい(同等の立場)と思われる。
< 組織 >
権力格差が大きい:
組織内の階層は階級の違いによる。
上司は部下に指示を出し、部下は上司の指示に従う。上司が判断を下す。
部下は上司を役職で呼ぶ。
汚職が起こりやすく、隠蔽される。
権力格差が小さい:
上司は部下の自主性に任せ、部下に判断もさせる。
組織内の階層は役割の違いによる。
上司と部下はファーストネームで呼び合う。
汚職は起こりにくい。
ちなみに、権力格差が日本より少なめのアメリカでは上司と部下は対等なので、会議など、大勢の人がいる前で部下を注意する、などはタブーとされます。(部下を注意する時は個室で1対1ですべき)
ちなみに、アメリカと日本の権力格差の違いは以下の通りです。(意外と差は少ない)
世界において、権力格差の大きい国
マレーシア、スロバキア (104)
グアテマラ、パナマ (95)
フィリピン (94)
ロシア (93)
アラブ諸国
中国 (80)
権力格差の小さい国
ドイツ、イギリス (35)
フィンランド (33)
ノルウェー、スウェーデン (31)
スイス (ドイツ語圏) (26)
ニュージーランド (22)
オーストリア (11)
権力格差が大きいのはロシア、アジア、南アメリカなどに対して、権力格差が小さいのは北欧や欧米の傾向があるようです。(アメリカはそれらに比べるとそこまで権力格差が小さくありませんが)
他の国との違いもここで見る事ができます。
ホフステード指標
https://www.hofstede-insights.com/country-comparison/
次回は第二の次元、個人主義 vs. 集団主義です。
ホフステードの "Culture and Organizations (多文化世界)" を日本で購入したい場合はこちら。
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