personalities


前回の続きです。

MBTIという性格診断ツール
MBTIがチームビルディングに有効な理由

みなさんは自分の性格がどのようなものだか知っていますか?
そして、自分の性格がどのようなものと人に思われているかを知ってますか?
自分の事は分かっているようで、実は分かっていなかったりしませんか?
それは何故でしょうか?
私の考えでは、それは「自分は自分の尺度でしか物事を計れない」からだと思います。

例えば、「私」に綺麗好きな友人がいるとします。
「私」と比べると友人はいつも掃除をし、整理整頓が上手で、家をとても綺麗にしている。よって、1が汚い10が綺麗、だとすると、「私」からすると、彼女の家の綺麗さは9だと思っているとしましょう。

でも、彼女は自分の事はきれい好きとは思っていません。
彼女にとっては理想の「綺麗な家」からすると、彼女の家はまだまだ物が多いし掃除が足りてないし、彼女の綺麗の基準からは程遠いからです。よって、彼女は彼女の家の綺麗さは1から10のうち5と思っています。

こういう事が良くありませんか?
要するに、人はみんな自分の尺度で物事を計っているので、人に比べて自分がどうか?というのは客観視できない事が多々あるのです。

性格にしても同じ事が言えます。
自分は外向指向なのか?内向指向なのか?
事実や実際に起きている情報から物事を理解する傾向があるのか?それとも全体像を見て関係性やパターンを把握して物事を理解する傾向があるのか?
決断を下すときは論理的か、それとも人の感情や人との調和を重視しているか?
行動をする時はプランを立てて行動しているか、それともフレキシブルに行動しているか?

自分が客観的に見てどういう性格なのか、というのは中々自分では分からないものです。
自分では結構内向指向だと思っていても他人にはそうは思われてなかったり、自分は論理的に話をしていると思っているのに人には人の気持ちを重視していると思われたり、自分と他人の尺度に差がある事は結構あるのではないでしょうか?

これはコミュニケーション心理学で使われる、ジョハリの窓 (Johari Window) のコンセプトに被るところがあります。

ジョハリの窓は心理学者のJoseph Luft とHarrington Inghamが提唱したもので、自己には以下の4つの窓があると言います。
• 「自分も他人も知っている自己」(開放の窓)
• 「自分は知っているが他人は知らない自己」(秘密の窓)
• 「他人は知っているが自分は知らない自己」(盲点の窓)
• 「自分も他人も知らない自己」(未知の窓)

Johari Window


ジョハリの窓では、「開放の窓」以外の3つの窓のように、自分が認識している自分と他人が認識している自分像が一致していないからこそ、人間関係上のトラブルや、ミスコミュニケーションが起こる、というのです。

ですが、これらの窓は相互に影響しあっているので、自分も他人も知っている自己、つまり「開放の窓」を大きくしていけば、相互の理解が深まり、人間関係やコミュニケーションが良くなると言います。①の方向に大きくするには自分の事を人に開示する、②の方向に大きくするには未知の事にチャレンジする、そして③の方向に大きくするには他人からのフィードバックをもらう、などが効果的だそうです。

MBTIで行う性格分析は、この③の方向に「開放の窓」を広げるような働きがあります。つまり、性格診断により「他人は知っているが自分は知らない自己」(客観視した自分)を知る事で、人間関係を良くするのに役立つのです。

更に、自分の性格が分かってくると、自分と違う、人の性格の事も分かるようになってきます。
今までパートナーや他人に「何故この人はこういう行動(や考え)をするんだろう?」と思った事はありませんか?「自分ならそんな事はしないのに」、や、「常識がないんじゃない?」、もしくは「そんな行動(や考え)をするなんて、頭悪いんじゃないの?」などと思った事もあるかもしれません。

でもそう思われた人たちは、間違いなくその人たちなりの理由があるのです。
たとえば、自分は論理的に話したいのに、相手は共感する事をベースに話をしてくる。
それはその人が頭が悪いからではなく、常識がないのでもない、単に、人の感情を論理よりも優先に考えているだけかもしれない。
また、たとえば子供がいつまでたってもぎりぎりまでにしか宿題をしない。それは単に計画性がないのではなく、ぎりぎりにする事によって、やる気がでるタイプの性格なのかもしれないのです。

MBTIが優れているのはそれだけではありません。この診断の有効なのは、自分に合った仕事の形態というのが分かる事です。沢山のデータベースを分析していった結果、こういう性格の人がこういう職業についている傾向が多い、というデータが出ているため、自分に合った職、というのが分かってくるのです。
もちろん、全然違う性格の人が同じ職に就いている事も多々あります。でもそのような場合は、よくよく調べてみると、違う性格の人は同じ職でもその仕事の違う要素に惹かれて入ってきている事がわかります。

例えば、同じ社長という職業でも、直観機能を指向する人は、「自分のアイディアを現実にする」という要素が好きで社長になったとしたら、感覚機能を指向する人は、「自分の調べたデータを基に会社を築いていく」という要素が好きで社長になったかもしれません。同じ職種に惹かれたとしても、このように性格によって職種に惹かれる理由が違うのです。
よって、自分の性格を知ると、仕事のどんな要素が自分に合っているか、どのような要素を持った仕事を探せばストレスを感じずにうまくいくか、と言う事が分かってきます。(ただし、会社側として、性格診断を元に採用を決めるのはアメリカでは特に問題視されているので気を付ける必要があります。)

次回からはこれらの性格の4つの指標について、細かくお話していきます。





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