Door knob


前回の続きです。
バウンダリー(boundary=境界線)について

(注:私は心理カウンセラーではないので、これはあくまでも心理学の勉強と、コーチとして学んだ内容です。)

日本人のように、集団主義、いわゆる全体の調和を軸に生活している私達にとって、どこまでが自分の問題か、どこからが人の問題かが曖昧になってしまう事が多々あります。

例えば:
• 子供が良い学校に入れるようにと親が子供に勉強をさせる。
• 上司が自分仕事にいちいち口出しをしてくる。
• パートナーが自分に色々するべきことを指図してくる。

これは心理学者のアドラーに言わせると、課題の分離が出来ていないことになります。
何か問題がある時、それは自分の課題なのか、他人の課題なのかを考える。そして自分の課題にフォーカスして、他人の課題には関与しない。(課題の分離)

誰の課題かがはっきりしない場合は、誰が最終責任を負わなければいけないかを考える事で分かる、とアドラーは言います。
つまり、子供が宿題をしない場合、それによって困るのは親なのか、子なのか?もちろん直接の被害を受けるのは子供です。
と言う事は、宿題をする、と言う事は子供の課題と言う事になります。

よって、子供の課題に関与すると言う事は、課題の分離ができていないと言う事になります。
要は、自分の課題、自分の人生にフォーカスして生きる。
これが人間関係をよりシンプルする秘訣なのです。

私はこの課題の分離とバウンダリー問題は、密接に関わっていると思います。
他人の課題と自分の課題を分離すると言う事は、どこまでが自分のスペースか、きちんとした線引きをする、つまりバウンダリーを設定する事と同じだと思うのです。

”Bradshaw: On The Family” という本で、ジョン・ブラッドショーは自我のバウンダリー (Ego Boundary)についてこう書いています。

自我のバウンダリー (Ego Boundary)とは、人が自分の内面のスペースを守るために持つ精神力の事です。これは人が外の情報を解釈する手段であり、ふるいにかける方法でもあります。そして、これは人が外界と立ち向かい、制御する構造でもあります。

ブラッドショーは、自我のバウンダリーを自分と他人との間のドアだと仮定して説明しています。(私の解釈も入っています)

強い(丈夫な)自我のバウンダリーとは、自分と他人との間にあるドアの取っ手が自分側についている状態です。この場合、自分にドアを開けるか閉めるかの決定権がある為、自分が相手にどこまで自分の問題に踏み込ませるかを決める事ができます。そして、自分の問題と他人の問題をはっきり区別できます。

強い自我のバウンダリーを確立していると、人が自分のスペースに踏み込みすぎてくるときは、自分でドアを閉め、それ以上踏み込ませないようにする事が出来ます。よって、強い自我のバウンダリ―を確立していると、自主性を持つことが出来、主導権を握る事が出来、自分も他人も信用する事につながります。これが健全なバウンダリーのモデルです。

弱い自我のバウンダリーとは、自分と他人との間にあるドアの取っ手が相手側についている状態です。この場合、相手にドアを開けるか閉めるかの決定権がある為、相手にどこまで自分の問題に踏み込むかを決めさせる事になります。そうすると、自分の問題が他人の問題にすり替えらたり、自分の問題が他人に踏み込まれる事もあります。

弱い自我のバウンダリーを確立していると、人が自分のスペースに踏み込みすぎてくるときは、自分の方に取っ手が無いため、それ以上踏み込ませないように自分でドアを閉める事ができません。よって、自我のバウンダリーが弱いと、罪の意識や恥、他人に対しての劣等感を持つ事になり、自分も他人も信用できなくなります。

壊れた自我のバウンダリーとは、自分と他人との間にあるドアに取っ手がついていない状態です。この場合、誰でも自分のスペースに行き来できる事になり、相手がどこまで自分の問題に踏み込むか自分にコントロールが無い状態です。そうすると、自分の問題と他人の問題と区別がつかなくなり、無法地帯となります。

壊れた自我のバウンダリーを持っていると、取っ手が存在しない為、もはや自分にも他人にもドアを開けたり閉めたりする事ができません。つまり、人が自分のスペースに踏み込み放題な状態となります。よって、自我のバウンダリーが壊れていると、混乱や無力感を感じるようになります。

このように、バウンダリーを設定すると言う事は、自分を尊重する事、自分で自分の権利や価値を主張する事でもあります。
バウンダリーをちゃんと設定すれば、人に過干渉されたり、いいように言われたり使われたりすることも無くなります。

人間関係の問題に対面したら、まず課題の分離をし、バウンダリーもきちんと設定すれば、大概の問題は解決するのではないかと思います。

次回からはバウンダリー設定の際の自分の価値の設定の仕方とその過程にまつわる感情の処理についてお話ししていきます。






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