No mask

みなさん、如何お過ごしですか?なんと!アメリカはあれからコロナ患者が急増し、サンディエゴでも2週間ほど前にレストランやビジネスが開いたのもつかの間、また昨日(7/7)から閉まってしまいました。ですが、今回違うのは、レストランは外での営業はOKとなった事です。つまり、パーキングや歩道にテーブルを出して営業するのはOK。何故かと言うと、外での感染率は屋内の感染率よりかなり低いと分かったからだそうです。(今更!)どちらにしろ、また被害が増え、ちょっと逆戻りした感があり、苛立ちが募っているのも確かです。マスク着用を強制されるのが嫌だというアメリカ人が多いのも原因の一つかと思いますが…(子供か!!)

今回は面白い記事を見つけたのでその内容をご紹介します。タイトルは「あなたが生まれた場所があなたがどのような人になるかに影響する」というもの。これは私が良く引用する、ホフステードの文化の6次元と関連しています。文化とはその集団に特有の価値観の現れなのですが、その価値観がどのように植え付けられるかというと、親のしつけであったり、学校教育であったり、メディアで流される内容であったりする訳です。この中でもとりわけ親のしつけというのは大きな影響があります。

この記事によると、オランダで育った子供は一般的におおらかで細かい事にこだわらない、や、ヨーロッパ人はアジア人と比べて交際好きで新しい経験に対してオープンである、また、ヨーロッパの中でも北ヨーロッパの人々は南の人々よりも誠実(conscientious)な傾向がある、などの性格の違いの傾向は、その国の社会の価値観が親の躾け方法に影響を与え、それが子供達に伝わるからだと言います。これらが親のしつけとどのように関わっているか、つまり、社会的価値感が親が子供を育てる方法にどのように影響するかを14か国で調査したそうです。調査方法として、親に日常的にする習慣と、子供にどのように育って欲しいか、そしてどのようにしつけるかを聞きました。その中でも際立った違いが個人主義と集団主義の違いと充足的か抑制的かの違いでした。

例えば、米国のような個人主義の文化では、自立を促すような育て方をします。例えばアメリカでは、子供が赤ちゃんの頃からベビーベッドに入れ、別の部屋で寝かせる、などし、小さい頃から子供が自立するように育てます。18歳になったら家を追い出し自分で大学費用を稼いで大学に行かせる、などもアメリカでは普通です。(カリフォルニアのようによほど家賃が高いところでなければ)そして、人々は自分個人の幸せや利益を追い求めるよう育てられ、個人的に評価される事を求め、自分自身の社会的または財政的地位を高めることが期待されると言います。

それに比べ、日本のような集団主義の文化では、小さい時から親と添い寝をしたり、大学費用を親が出すのも一般的で、卒業後も親と一緒に住むとなっても社会的には普通に受け入れられます。そして、韓国やチリのような集団主義の国では子供が悪い事をした時、その事を「考える」ように指示し、それが周囲の人々にどのような悪影響を与えるかを説明するそうです。日本でも「他の人に迷惑にならないようにしなさい」というような叱り方をする事がありますね。つまり、このように他人の気持ちをまず推し量るよう躾ける事によってグループの調和を促進し、子供が集団主義社会で上手くやっていけるよう期待されるのです。

集団主義の国が人の気持ちを推し量るというのは一見良い事のように思えますが、逆にこのように躾けられた子供は常に自分の行動が他人にどのように影響するかについて常に気にするよう躾けられる為、不安、罪悪感、恥を感じる可能性が高くなるそうです。このような事から、集団主義文化の子供たちは、個人主義社会で育った子供よりも、悲しみ、恐怖、不快感のレベルが高い傾向がある事が分かったそうです。

この記事が書いていたもう一つの違いは充足的か抑制的かの違いでは、米国、メキシコ、チリは、自己充足感を許し、促進する傾向がある(充足的)のに対して、韓国、ベルギー、ロシアなどは、誘惑に直面しても自分を抑制する事を奨励(抑制的)傾向があると言います。充足的文化では、自分で遊ぶことを学び、自分が悪い事をした場合、相手に償いをして関係を修復するように教わります。このようなしつけから子供は、「自分の幸せは自分で勝ち取るものだ」、そして、「自分で起こした間違いは自分で修復すべきだ」と言う事を学ぶそうです。

それに比べ、抑制的な文化(日本もですが)では、親が子供をしつける時に大声で叫んだり、ののしったりする事が多い為、子供は従順になるが、それと同時に楽観性が無くなり、自分自身を楽しむ事ができなくなる可能性があると言います。これらから考えると、どちらが良いとは言えませんが、自分が幸せになりやすい(人を犠牲にしてでも)のは個人主義で充足的文化(アメリカなどが典型的)で、律しやすい(それが個人の幸せを犠牲にしてであっても)のは集団主義で抑制的文化(日本や韓国など)とも言えます。


アメリカ人がマスク着用を強制されていると感じ、「自分達には自由になる権利がある!(人への考慮はおいといて)」とのたまって付けないのも、案外このような個人主義や充足的文化からきているのでは?と思うのは私だけでしょうか。




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