Women Dress Suit


みなさん、週末はどうお過ごしですか?

昨日、大学院の友達と久々に会い、話をしました。彼女はアメリカ人のエンジニアで、学位もエンジニアリングの修士を持っており、以前テスラで働いていた事もある優秀な女性です。そんな彼女と、企業で女性が働く事について興味深い話をしました。

彼女は、女性の管理職として働いてきているものの、アメリカとUKの職場で男性の上司に服装についてコメントをされた事があるという事でした。1度目はアメリカのオフィスで彼女がマネージャーの一人としてプレゼンをしていたら、男性のCEOに「君がもっと女性らしい格好をしてプレゼンをしていたら集中して聞けたんだけど」と言われたそう。また、2度目はUKのオフィスで、今度も男性の上司に、「来週の重役会議に出る際は女性的な格好をしてきた方がいいと思う」と言われたそうです。(彼女もディレクターなので重役の一人)これを聞いて、アメリカでもイギリスでも女性に女性的な格好をするよう促すことがある、と言う事に驚きました。

そもそも、女性らしい格好をするかどうかは本人の判断であって、人に指示される事ではないのでは?と思ったのですが、調べたところ、UKで行った調査では、女性はスカートをはいている方が好まれる(自信があり、成功していて、信用に値する)事が分かったそうです。その理由として、昔は男社会で認められるには、男性と同じようにパンツを履いて男性らしいイメージを出すようにしていたが、今はスカートを履く事で、そういう男性らしい格好をしなくても成功できる、という風に見られるからではないか、と書かれていました。

意外かもしれませんが、女性のリーダー進出と言う意味ではアメリカはそこまで進んでいません。2018年の時点でもFortune500の中の女性のCEOはまだ25人。たったの5%で全体的にはまだまだ男性社会です。(それも白人男性社会)。なぜアメリカでは女性がリーダーになるのが難しいかと言う事には諸説ありますが、一つはリーダーシップスタイルの違いがあると言われています。

North Western 大学の教授、Alice Eaglyによると、アメリカ人男性のリーダーシップスタイルは独裁的でトップダウン、命令型なのに対し、アメリカ人女性リーダーシップスタイルは協力的で参加的、民主的な傾向があるそうです。(Big Think)ですが、女性のこのスタイルは、アメリカの男性社会では「リーダー的でない」とみなされ、女性はなかなか昇格されないのだそうです。女性が昇格するには男性のように振る舞わなくてはいけないが、そうするとBitch (ビッチ)だと言われ、今度は女性のように振る舞うと、リーダーシップがないと言われる為、アメリカの女性はDouble-bind(板挟み)状態なのだそうです。

また別の説では、人間は自分と同じような人を選ぶ傾向にある為、白人男性のリーダーは、周りのポジションにも白人男性を置く。だから女性は選ばれにくいという説。それからアメリカの男性は(自分の権力を放棄しなくてはいけない、という考えから)成功していてたくさん稼ぐ女性を恐れるという研究もあり、それも女性を昇格させたくない一因になっている可能性もあります。ちなみに、アメリカの幼稚園などで女の子が周りに色々指示をするとBossy(生意気、威張っている)と言われるのに、男の子が同じ行動をしてもそうは言われず、リーダーシップがある、と思われるそうです。そういう所からも、まだまだ女性に対する偏見が根深い事が伺えます。

私自身の経験では、女性らしい服装をしろ、というような事をアメリカ人の上司に言われた事はないものの、アメリカの日系会社で働いていた時に日本の出張者にセクハラまがいの事を言われた事はあります(それも一回とか一人ではない)。まず、「こっちに住んでいるって事はアメリカ人と結婚しているの?」から始まり、「やっぱりアメリカ人の方が日本人よりいい?」と聞かれ、その後下ネタに持っていかれた事も何度かあり、嫌な思いをしました。それから企業に応募してインタビューを受けた時に、「子供を作る予定はある?」と聞かれた事もあります。もちろんこれらはアメリカではセクハラとみなされ、NGです。

以前日本の駐在のマネージャーが、部下のアメリカ人の女性に「女性だからということで」お茶くみを頼んだところ、速攻HR(人事)に指導を受ける羽目になった話を書いたかもしれませんが、女性だから、男性だから、という理由で何かをさせるのはこちらではセクハラ行為とみなされます。もちろん、Job Description (業務内容)にお茶くみが入っていればそれは業務と見なされますが、その場合男性女性関係なく業務としてこなす事を求められます(大体業務内容に入っていない仕事はしなくていいし、強制もできない)。これらの事がセクハラと見なされない時点で、まだまだ日本の性差別は根深いのではないでしょうか。

今回は真面目に職場の性差別についての考察でした。





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