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前回の続きです。
<サンディエゴ>レストランオーナー:薫子さん(前編)

人生に訪れた転機

そんなある日、彼女は気づいたのです。「向いてない、好きじゃないと思って働いているからチャンスをもらえないんだ。好きじゃないと思っていたら良い仕事ができるわけがない。どうせだったら好きになろう!」と。そして彼女は決めたのです。「好きか嫌いか、というのは自分が決めてることだから、自分が好きだと思ったら好きになる!」

そして、好きになると決断した瞬間から思考がポジティブになり、仕事に対しての視点が180度変わりました。つまり、「この仕事は自分には向いていない」、と考えていたのが、「どうしたらお客様を幸せにできるか」、どうしたら人気サーバーになれるか」に変わったのです。この決断が彼女の人生を変えました。

自分が成功したいと思ったら、なりたい自分に既になっている人(結果を出している人)を探し、その人の真似をするのが一番です。例えばお客さんが、「きょうは○○さんはいますか」と指名されるようなサーバーは、きっとお客さんに好かれるようなサービスをしているに違いない。なので、彼女は、自分がなりたいと思うサーバー、お客さんに所望されているサーバーを見つけ、一からその人の事を真似する事にしました。

お客さんからオーダーを受けた時にどのような言い回しをしているのか。クレームがあった時にどう対処しているのか。受け答えしている言葉、接客態度、問題の解決方法などを一つ一つ真似し始めました。そうしたら次第に自分にもお客がついてくるようになったのです。そして、お客さんを幸せにするという事に生きがいを感じ始めると、仕事もどんどん楽しくなりました。そうして彼女にとってサーバーは大好きな仕事になり、やりがいを感じるまでになったのです。

彼女の今

やがて、彼女はジェネラルマネージャーとして3店舗目の開店を任されるまでになり、2012年には3店舗のうち1店舗、サンディエゴダウンタウンにあったレストランを購入し、オーナーになりました。やがて、その日本食レストラングループの暖簾分けレストランから独立し、晴れて自分のレストランとして独立オープンしたのが2017年です。レストランで働き始めて実に22年目の事でした。

レストランの名前はSushi2、オーナーの名前は薫子さん(本名:Kuniko Holmes)と言います。
彼女が独立オープンした時のビデオがこちらです。



彼女のレストランのウェブサイトはこちらで見れます。

Sushi2 San Diego

アメリカで経営するという事

アメリカで経営する、それも女性でマイノリティでアメリカ人従業員を雇って経営するという事は並大抵の事ではありません。そんな中、現在彼女のレストランは、ダウンタウンにありながら行列ができる、人気日本食レストランへと成長しています。そして驚くことに、従業員が70人ほどいる中、日本人従業員が一人もいません。日本人経営者でアメリカで日本食レストランを経営している大多数の所が日本人を最低何人か雇っている現状で、これは異例な事と言えます。(従業員のほぼ半分がアメリカ人、後の半分はメキシコ人だそうです)

彼女のすごい所は、日本人でありながら、アメリカ人やメキシコ人従業員をうまく扱えるところです。もちろん英語とスペイン語が出来るという事は強みでしょうが、それよりもやはりレストラン業を一から叩き上げでやってきたという経験と、それに裏打ちされた強さや優しさのようなものが従業員に伝わるからだと思います。私がびっくりしたのは、彼女と一緒にSushi2に食べに行っても、従業員の態度が彼女の前で全然変わらないということです。委縮する従業員など一人もいません。そして、彼女がレストランで食べていると(もちろんオーナーと知ってて)普通に親しげに話してくる。それはなぜかと考えた時、彼女の人間性と、人間味のある経営のやり方だと思いました。

彼女曰く、アメリカで従業員をマネージするのに一番大変なのは、文化や人種、生い立ちの全く違う人々を率いる事だと言います。そして、レストラン業界に働きに来る人達は更に学歴まで違う。(特にサンディエゴなどメキシコに近い所では)メキシコから来たばっかりの英語が全然できない人もいれば、アメリカ人で大学院に入る前にお金を稼ぎたいからと入ってくる人もいる。小学校しか出てない人もいれば、大学を出ている人もいる。

そんな色んな背景の人達がいる中では、会社のゴールやコンセプトなど、一つの事を話していても、みんなが同じように理解しろという方が無理な話。よって、彼女はそれらの事を踏まえてチーム作りやトレーニングをしているそうです。また、オーナーとして従業員をマネージするだけでなく、マネージャーのコーチングも行い、一人一人が向上する為に、個人に合ったサポートを心掛けているそうです。そんな彼女だからこそ、従業員にも慕われているのだと思います。

彼女の今後:経験と知識を還元すること

そんな彼女は、現在、自分の苦労と経験を元に、自分と同じようにアメリカでキャリアを築きたい人、ビジネスオーナーになりたい人への力になりたいと思い、コーチング/メンタリングサービスを始めています。アメリカで経営者になりたい人、アメリカで仕事をしていきたい人、異文化の中でのリーダーシップのスキルを身に付けたい人などが対象です。

今回はコメント欄を開け、簡単な質問などは、薫子さんが直接答えますので、気軽にコメントください。

また、個人的にコーチング/メンタリングに興味がある方は、直接薫子さんにご連絡ください。

K-T Holmes, Inc.
薫子さんのEメール
Kuniko★sushi2sd.net
(※上記の「★」記号を「@」記号に置き換えて下さい。)

また、このように海外で活躍していてこのブログで取り上げてほしい人がいましたら、お気軽にご連絡ください。

ibunkakukan★gmail.com
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