job_search_1


みなさん如何お過ごしですか?カリフォルニアというより西海岸は先週から山火事がひどく、オレゴン州で避難命令が出たり、サンフランシスコでも日中の空気が煙だらけで外に出れないなど、ひどい状況が続いています。サンディエゴでも山火事がありますが、まだ他の州と比べるとましな方。それでも西海岸一帯の空気が悪くなっており、太陽が毎日ぼやけてオレンジに見えるような日が続いています。このような山火事は実は自然災害というよりも放火も多いらしく、はた迷惑な事極まりなしです。早く雨でも降ってくれると良いのですが...

今回は前回の成績の違いに続いて日本とアメリカの履歴書の違いについてです。みなさんは日本とアメリカの履歴書はどのような違いがあるかご存じですか?

まずはご存じ、日本の履歴書。(クリックで拡大)
Japanese Resume

そしてこちらがアメリカの履歴書 。(特に決まった書き方は無いが、大体このような内容を記入)
US Resume

大きな違いですが、

1)日本は自分の経歴を中心に書くが、アメリカは応募する職種に関連する経験やスキルを中心に書く
2) 日本は写真が必要(アメリカでは差別をなくすため、写真は添付しない)
3) 日本は生年月日を明記する(こちらもアメリカでは年齢差別をなくすため、記入なし)
4)日本は通勤時間や扶養家族、配偶者などの有無を書くところがある(個人情報なのでアメリカでは記入なし)
5) アメリカは入社情報と共に、何を行ったか、自分の経験を細かく記入 (日本は入社、配属情報のみ)

というところでしょうか? (4)に関しては勤務に全然関係ない個人情報という気がしますが、何故必要なのか逆に気になります。通勤時間が長すぎたり配偶者が居ないことがネックに思われ、採用されない、などという事があるのでしょうか?これらを見ると、日本はスキルよりも写真での見た目、どこの大学を出ているか、などで採用、アメリカはスキル重視で採用、という感じがします。もっとも、日本人の新卒採用などは皆大学を卒業したばかりでスキルがないのでスキルで採用しようがないというのもあるでしょうが。それに比べ、以前の記事にも書きましたが、アメリカで一番重要視されるのは経験とスキル、つまり何をしてきたか、そして何ができるかにつきます。転職回数が多く、年齢も様々な人が応募するアメリカでは即戦力を求められるのです。

追記:
知り合いの中高年齢者の就職支援をしている人に、現在日本では新卒学生はエントリーシートを使うのが一般的で、また履歴書よりも職務経歴書が重視されているかもという指摘がありました。そして、以前は主に経歴を時系列に書くのが普通だったのが、最近は企業に自分を売り込む為の物に代わってきており、もっとアメリカの履歴書に近くなっているそうです。この職務経歴書を見てびっくりしたのは、働いた会社の情報以外に、その会社の売上高、従業員数、上場しているかどうかも書く必要があること。どの位の規模の会社で働いたのかどうかも気にするということでしょうか?それからエントリーシートにしろ、履歴書にしろ、職務経歴書にしろ、自己PR欄があるのが面白いです。どちらかというとスキル重視で自分の意欲を見せることが難しいアメリカでもこのような欄があったら良いのに、と思ったりもします。

日本の職務履歴書。
Shokumukeireki

実際人を採用する時、日本では人柄(この人は会社の風土に合うかどうか)が重要視され、米国ではスキル(何が出来るか)が重要視されると読んだことがあります。 実際日系会社で働いていた時に、正にそれを裏付ける出来事がありました。その日系の会社では事務職を探していたのですが、何人か面接に来て最後に2人残りました。一人は若くてその業界の経験もほとんどなく、社会人経験も浅い女性。もう一人はちょっと年配で業界の経験が長く、社会人経験も長い女性。履歴書を見ると明らかに後者の女性の方が経験豊富で知識もある事が分かりました。

それでは最終的にどちらが採用されたかと思いますか?そうです、若い女性です。その会社の管理職は当時日本人が多く、その採用する人の上司になる人も日本人だったのですが、若い女性は「経験は無いが、他社の社風に染まっていない。使いやすそう。」、年配の女性は「経験はあるが、他社での勤務が長く、融通が利かなそう。使いづらそう。」という理由でした。まさに、スキルより社風に合うかどうか(というより年齢蔑視?!)を重視した採用と言えます。このように社風に合うあわない、などのファジーな人事採用はもちろんアメリカではNG。正当な理由がないと見なされ、下手をすると訴訟問題になりかねません。(もちろんそのような本当の理由は不採用通知では言わないのでしょうが)

私が以前米国で人材派遣会社に登録した時、日本人採用を対象とした会社(もちろん日系)は今までの職種は聞きますが、特に細かいスキルは聞かれず、逆にUSの派遣会社だと細かいスキル(例えばマイクロソフトワードが使用出来る、だけでなくタイピング速度まで)を聞かれ、時にはそれぞれのスキルについてテストまでされたりしました。面接でも、日系の会社を受けたときは細かいことは聞かれず、その代わり「子供を作るつもりはあるか」などを聞かれたりしましたが(そういう内容はアメリカではNG)、面接も1、2回で済みました。それに比べ、米系の会社では色んな部署の人に面接され、どのような経験があるかを聞かれ、面接が5、6回あったり、何日もかかる時もあるようです。

聞くところによると、昔は日本のある大手会社の人事部には女性の極秘フォルダがあり、それにはその会社の女性達がどこの会社と繋がっているか、親族にどの会社関係の人がいるかが記載されていて、会社の戦略に使用されていたと聞いた事がありますが、今でもあるのでしょうか?最近の日本のドラマを見てもコネ入社が描かれているので、そういう風潮はまだ根強くあるのかもしれません。日本の会社で人事が一番力を持っているというのも、長く働く人が多いからゆえのカルチャーかと思います。(どんどん人が変わるようでは人事はそこまで力を持てないと思われる)もちろんポリティクス(組織内の派閥、権力闘争)はアメリカでも普通にあるようですが。

スキルさえあれば、良いオファーをくれる会社に次々と転職していって年収をどんどん上げていく、という働き方をする人が多いのがアメリカです。同じ会社にいても毎年上がる給料の量はたかが知れているからです。(転職する際にネゴすれば一気に何百万と給料が上がるのも夢じゃない!)このようにどんどん上にも上がれるアメリカ社会ですが、切られるときは一瞬。本日の午後からもう退社して来なくていいよ、と言われ、引継ぎもする暇もなく、データを盗まないように警備員に監視されながら片付け、追い出されるのもアメリカです。できる人にはいくらでもチャンスを与えられますが、できない人にはとことん厳しい弱肉強食社会のアメリカなのでした。





「異文化空間」のページをフェイスブックに作りました。
ブログ以外の事も載せていきますので是非フォローを!
Facebook

Lineで更新通知を受け取りたい方は下のボタンをクリック!


ブログランキングに参加しています。

海外進出ランキング