Grades


みなさんお元気ですか?鹿児島は巨大台風直前と聞きましたが大丈夫でしょうか??サンディエゴはまたレストランやバー、ヘアサロンなども開けることができることになりました。でも前回オープンした際に急激にコロナウィルス患者が増えた為、今回はレストランなどは定員人数の25パーセントしか入れてはいけないなど規制ありありでのオープンです。

でも最近ちょっと気になるのは、今後の雇用状況です。アメリカ政府は4月にPPP (Paycheck Protection Program)という500人以下の小規模のビジネスにお金を貸し出す政策を打ち出し、5月には約250万人の雇用が確保されました。そのローンを返さなくて良いという条件に、24週以内に使いきれば返さなくて良い、というのがあったのですが、調査の結果40%以上のPPPを受けたビジネスは3か月でその資金を使い切ってしまうという事がわかり、次になんらかの政府の援助政策が打ち出されなけば経営に行き詰ったビジネスの14%はまた従業員を解雇せざるを得なくなると言われています。数で言うと、70,000のビジネスが最低10人解雇すると言っているので、近々70万人もが職を失う事になります。なんだかこれからも先行きの暗いアメリカです。。。

それはさておき、今回は成績についてです。私が最近教えていたクラスの成績付けが今週終わったばかりなのですが(この大学は4週間コースなので1クラスが超短い!)最近書類を整理していて面白いものを見つけました。なんと、私の中学の時の成績表です。何故アメリカに持って来たのか疑問ですが、私は母と共にアメリカに中学の2年間を過ごした為、その時の成績表と帰ってきて編入した日本の中学の成績表がありました。私達が行ったワシントン州では1年生から5年生が小学校、6年生から8年生、つまり日本の中2が中学校、そして9年生から12年生が高校だったので、日本の6,3,3制ではなく、5,3,4制。アメリカは日本と違って9月に新学期が始まり6月に1年が終わる為、見つけた成績表はアメリカの中学での7年、8年生の時のものと編入した日本の中3の2学期からのものです。

それらの成績表がこちら。個人情報のため成績は隠しますが、アメリカと日本の学校のフォーカスがどのように違うか見てみたら面白いかと思い、比べてみました。これらは1990年のアメリカのワシントン州の公立中学と1991年の日本の鹿児島の公立中学の成績表(古っ!!)なので、世代的にもも今とは全然違っていると思いますし、アメリカでも日本でも州や県、または公立か私立かによっても全然違うと思われますのであくまでも例として載せますのであしからず。

まずはアメリカの8年生(日本で言う中二)の最後の学期の成績表がこちら。(成績表は学年でなく学期ごとに出る)*クリックすると拡大します。
Chinook Grades

そして日本の中学3年の成績表がこちら。
Chugaku Grades

まず目につくのは勉強する教科の数の違い。(日本はゆとり教育以降は教科数は減ったのでしょうか?)日本の方は国語、社会、数学、理科、音楽、美術、体育、技術、外国語、選択、と10科目も勉強するのに対してアメリカ(学校によって違うでしょうが、私の行った公立の中学)は、PE (体育), French(外国語), Algebra(数学), Science(理科), LA(覚えていないがLanguage、つまり日本で言う国語か?), Orchestra(音楽), Social Science(社会)と7つだけです。アメリカでは音楽や美術などは義務ではないので義務教育間全然取らないこともあり得ます。それで音痴が多いのか??((今では日本でも選択科目なのでしょうか?それともみんなまだ取っている?)ちなみにこの間日本の卒業式を見る機会があり、君が代斉唱でみんな音程がずれていないのでさすが!!と思いました。(笑)

日本の成績で面白いと思ったのは「行動及び性格の記録」があるところです。(関東出身の友人はこんなのはなかったと思う、と言っていたので県によって違うのかもしれませんが)この中で「根気強さ」、「情緒の安定」、「公共心」などがあるのが真面目なことと人に対する配慮を重んじる日本らしいと思いました。なぜならこれらの項目が成績と一緒に推し量られるということは、これらの資質を尊重する文化(それが学校であれ、国であれ)だという事だからです。アメリカの成績表にも”Social/Emotional,””Work and Study Habits”という欄があり、項目も”Works Cooperatively in Class(クラスで協力して取り組む),” という日本で言う「協調性」のようなものはありますが、“Respects Property, Equipment(財産、設備を尊重する)”や”Uses Class Time Efficiently(授業時間を効率的に使う)”などは、いかにもお金や効率を重視するアメリカらしくないですか?

ちなみにアメリカの成績表はABCで図られ、Aが一番良い成績(A+があるところもあります)でB、C、D、と下がっていき、FはFail、つまり落第点です。(何故かEはない)アメリカの学校制度では(州によって違うようですが、大体は)K-12(Kindergarten through 12th grade)、つまり高校までが義務教育です。日本では中学までですね。それでもアメリカの高校進学率は90%ほどなのに対して日本は98.8%というのは不思議。どちらの教育も受けてみて思うのは、日本の義務教育の良いのはいろんなことを万遍なく学べる事。例えば美術の教科書に載っている世界の絵画などほぼみんな見たことがあると思いますし、楽譜もみんなある程度は読めます。アメリカの教育の良いところは才能のある生徒をどんどん伸ばすこと。例えば数学がすごくできる子は飛び級で学年を飛ばす事も可能です。

日本の学校生活でしんどいな~と思った事は人と比べられること。(成績の順番を公に発表されたり、高校自体ランクが決まっているので入る高校の時点でランク付けされてしまったり)私が小学校の時などはクラスで何人5が付けられるか決まってたらしく、同じクラスに頭の良い子がたくさんいれば、いくら個人的に頑張ってもその子たちに勝てなければ良い成績を取るのは難しかったのです。(もうそういう制度はないそうですが)比べてアメリカの学校生活でしんどいな~と思った事は朝が早いこと。(笑)下手したら7時からクラスがあります。アメリカは治安が日本ほど良くないので子供は一人では学校に通えず、ほぼみんな親が会社に行く前に学校に車で降ろしてもらうので、親の仕事の都合の関係?(よって親は子供が16で運転できるようになるまでずっと子供の運転手をしなければならず。)そして学校によってはドラッグ問題や、銃問題があること。(ロサンゼルスの治安が悪い地域では学校に入る前に、空港で通るような金属探知機がを通らなくてはいけないそう。)

日本は義務教育が優れているので一般教養は日本で受け、その後得意を伸ばしたいならアメリカに行く、というのは良いかもしれません。特に伸ばしたいスキルがあれば、アメリカの学校だといくらでも先に行かせてくれます。ただし落ちこぼれたらとことん落ち込めるのもアメリカです。学校生活だけでなく、基本的にアメリカは日本よりピンキリ(すんごいお金持ちもいればすんごい貧乏もいる、ような)で弱肉強食の世界なので、強者には素晴らしい国だと思いますが、弱者だとアメリカで暮らすのはしんどいかな、と思います。(ちなみに中間の私には住みやすくも住みにくくもある国。また機会がある時書きます。)それではまた次回!





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