Lucky Rumba at Sevilla


みなさん、ご無沙汰しております。お元気にお過ごしでしょうか?私はサンディエゴに戻ってきてからというもの、何年かぶりにひどいアレルギーに悩まされ、ほとほと困っております。高校の頃は6種類ものアレルギーがあったのですが(ダニ、ハウスダスト、ブタクサ、花粉など)、大人になり、毎朝レモンを半分絞った水を飲み、プロバイオティクスを摂るようになってからはほぼなくなっていたのですが、一体どうした事やら… なんでも私がこちらにいない間に雨がかなり降ったとか。とにかく生活に支障が出て困っております。

それはともかくとして、先週末はダウンタウンのスペイン料理の店で、今度新結成したキューバンバンド(主に映画、ブエナビスタソーシャルクラブの音楽などを弾く)でバイオリンを演奏をする機会がありました。演奏自体は3時間半、終わるころには首と肩が痛くなっていましたが、色んな友達が来てくれ、楽しい時間を過ごせました。実は、このイベントを告知するにあたって私のフェイスブックページでイベントを作り友達を招待したのですが、その時気づいたのが、私のフェイスブックの「友達」の数。(友達が鍵括弧なのに注目!)なんと600人以上になっていたのです。

ですが!もちろんこの600人をみんな私が知っている訳がありません。もしかすると半分くらいの人とは話した事もないかもです。ではなぜこんな人数になったのか?私はこちらでは趣味でトーストマスター、サルサダンス、音楽などの集まりに行きます。そうして誰かと繋がると、共通の友人と言う知らない人からもフレンドリクエストが来ます。もちろん全然知らず共通の友人もいない人からのリクエストは受け入れませんが、共通の友人が50人、などとなると、「もしどこかで会った時に気まずくならないように」と受け入れてしまうのが小心者の私。また、繋がっていると将来一緒になにかできるかも?という下心もあったりして受け入れるのでこうなるのです。

そして今回この人数を見て思い出したことがありました。それは、フォンス・トロンぺナールスというオランダのマネジメントコンサルタントが書いていた、文化による「人との関り方」の違いです。彼の著書、「異文化の波」という本によると、文化によって人との関与の仕方にDiffuse(関与拡散的)とSpecific(関与特定的) のタイプがあるそうです。もちろんどちらのタイプの文化でも自分の中で人に公開している部分とプライベートにしている部分があるわけですが、Diffuse(関与拡散的)文化ではこの公とプライベートが重なっており、Specific(関与特定的)文化では分離していると言うのです。

Diffuse(関与拡散的)文化のモデル(Gタイプ)
Diffuse
例を挙げると、Diffuse(関与拡散的)文化のアジア、メキシコ、南ヨーロッパ、フランスなどでは会社で一緒に仕事をすると、仕事だけの関りだけでなくプライベートでも付き合う事が多くなります。このような文化では人に公開している部分はプライベートな部分よりも少なく、また一度友達になるとプライベートな部分も多く人と共有する事になる為、自然と人との出会いに慎重になります。ですが、一旦友達になるととても深い関係を築きます。そしてこのような文化はハイコンテクスト(高文脈)でもあるそうです。

Specific(関与特定的) 文化のモデル(Uタイプ)
Specific
逆に、Specific(関与特定的) 文化のアメリカ、スイス、オランダ、スウェーデンなどでは付き合いは出会った分野に特定されます。例えば、仕事上の仲間は仕事での関りだけ、趣味の仲間は趣味での関りだけ、子供の学校の関りは子供の関りだけ、というようにです。このようなSpecific(関与特定的) 文化では人に公開する部分が多いので気軽に友達になりますが、その分関係は特定な分野だけに限られ、本当の核心のプライベートな部分は滅多に他の人と共有しません。よって友達といっても心の奥底までは話さない浅い関係だったりします。このような文化はまたローコンテクストでもあるそうです。

説明が長くなりましたが、私の友達人数が600人になったのも、アメリカのようなSpecific(関与特定的) 文化に住んでいるからではないか、と思いあたりました。事実、私がトーストマスターで知り合った人、音楽関係で知り合った人、趣味のダンスで知り合った人、などはその分野でしか付き合いが無く、よっぽど仲良くなければプライベートな事は滅多に話す事はありません。でもだからこそ関係は浅いけれども人数的には多くなるのではないでしょうか。ちなみにプライベートでも今でも付き合いがあり、深い友達になっているのはほぼみな日系会社で働いていた時の日本人の同僚です。(笑)

フェイスブックの友達の数を文化ごとに見てみると意外と本当にSpecific(関与特定的)文化の方が友達の数が多く、Diffuse(関与拡散的)の方が少ないという結果になるかもですね。もちろん仕事柄色んな人と知り合いになる人は別ですが。文化のモデルは色々あり、どれも一つで全部を現しているとは言えませんが、ホフステード以外にも面白いモデルがあると言う事で。(笑)今回はフォンス・トロンぺナールスの文化の次元の例でした。





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