みなさん、ご無沙汰しております。今週末はオンライン異文化心理学のクラスと臨時で働いているAPWの授業があった為その準備で忙しく、更新が遅れてしまいましたが、お元気ですか?私自身は元気にやっているのですが、なんと!サンディエゴはまたまたStay at home order (自宅謹慎命令)が出てしまいました...それも本日(12/6、日曜の夜中)から3週間です。😱今から3週間というとクリスマスも入ってしまうので、かき入れ時のお店も大ダメージです。でも色々混乱するのが、今回は5月の時とは違って小売業は定員の20%で営業しても良いとか、教会も外での礼拝はOKとか。また、自宅謹慎と言ってもまだレストランのテイクアウトはOKだしスーパーなどは開いているので、全然外に出てはいけないというわけではないようです。
それもこれも何故今回また自宅謹慎令が出たかと言うと、南カリフォルニアの11郡でのICU(病院の集中治療室)の残りのキャパが15%を切って12.5%になったからだそう。要するに、コロナウィルスの治療には長い時間がかかる為(5-19日ほどかかるらしい)、その間にどんどん入院患者が増えていき、キャパがマックスになってしまうとコロナ患者以外の緊急患者まで被害が及ぶからだと思われます。実際前回病院がいっぱいになった際もコロナが直接の死因というだけでなく、コロナ患者で病院が一杯になっていた為に治療が遅れた、もしくは治療できなかった為の死、(いわゆる2次災害的な)が多かったと聞きます。それを防ぐ為とは分かるのですが、サンディエゴ郡は実はまだICUキャパが23%あるのだそう。なので南カリフォルニアとして一括りにしてシャットダウンして欲しくなかった、という意見も出ています。
そういう暗い話は置いといて、今回はアメリカのおかしな一面のお話です。現在月に2回行っている、日本向けのオンライン異文化心理学のクラスで出てきた話題です。日本のドラマなどを見ていると、ビールの会社がスポンサーになっている事が多く、ビールの宣伝もたくさんあり、ドラマの中でも必ずと言っていいほどビールを飲むシーンが出てきますよね。でもアメリカのテレビではタバコの宣伝はもちろん、アルコールの宣伝もあまり見ないんです、という話しをしたら日本の方がとてもびっくりされていました。(日本もタバコは宣伝しませんね)ちょっと調べてみたら、アメリカではアルコールの宣伝は全面的に禁止と言う訳ではなく、スポーツ番組の間や金曜の6時から後の週末、休日などは良いそうです。それでもアルコールに日本より厳しいアメリカ。今カリフォルニアでは身分証明をを見せないとアルコールは買えませんし、21にならないとアルコールを飲めないのも周知のとおりです。そして未だにカンザス州、ミシシッピ州、テネシー州のように禁酒法を実施している州もあります。(州の中の郡によっては良い所もあるそうですが)
このように、アメリカの面白い所は、国で決まっている事と、州で決まっている事、市で決まっていることの区分けがあることです。例えば、国が決める法律は移民法、飲酒が認められている年齢、同性婚に関する法律、差別禁止、又は公民権に関する法律など。それに対して、州が決める法律は最低賃金、運転できる年齢(州によっては14才で許可証がもらえる。ただし同乗者が必要)、銃に関する法律、生活保護に関する事、マリファナ(大麻)の規制など。そして地域によって決める法律は、公立学校への助成金、学校を閉鎖するか否かなどの判断、娯楽施設や公園に関する事などがあります。そして今回のコロナウィルスに対する対策(マスク着用など)は州に規制の権限を任されています。よってカリフォルニアのようにマスク着用が義務の州もあれば、サウスダコタやフロリダのようにマスク着用が義務でない州もあります。
ではもし国の決定と州の決定が違う場合はどうなるのでしょうか?例えばマリファナ(大麻)の使用はアメリカ合衆国としては認められていませんが、州によっては認めているところが増えてきています。この場合はその州では使用はOKだけれど、認められていない州では使用は禁止、となります。ただ国が違法としている為、マリファナで儲けたお金は銀行では預けられない(銀行は国が統制しているため)ということもあるようです。(という訳でマリファナ工場では現金が山積みになっているとか。本当か?!)また、最低賃金などは一応国が定めた基準(現2020時点で時給が$7.25)がありますが、そのような場合は各州はそれを満たしたうえで、各自州によって値段を定めるカリフォルニアなどは現在時給は$13.00)と言った具合です。このように州の権限が国の権限を凌駕することも多いので、「United States of America」 (直訳すると、州が統合された国)と言われるのも納得です。
今回のAPWで教えたクラスで、「このようにアメリカでは物によって国が決める事と州が決める事が違うんだよ」、と言う話をしました。クラスにはヨーロッパの国々やラテンアメリカ、オーストラリア、南アフリカなど世界中からの生徒が60人ほどいたのですが、やはりアメリカのように州がここまで力を持っている国はないようで、逆にその地域に合わせた法律があるというのは良いのでは?という意見もありました。クラスの最後にアメリカの法律で変えた方が良い法律があったら何か、という質問をしたのですが、クラスの半分以上が世界の傾向に合わせて飲酒可能年齢を18に下げるべき、という意見でびっくり。調べてみたらその通り、世界的には18で飲酒ができる国が多いんですね。ドイツから来た子は、「ドイツでは16で飲酒ができ18で運転ができるようになる為、運転できるようになる頃には自分の飲酒のリミットが分かっている。よって飲酒可能年齢を運転できる年齢よりも下げる方が飲酒運転の問題が少なくなって良い」、と言っていましたが、本当か??
アメリカでおかしなところといえば、銃で人を殺すというシーンをがんがん見せるアメリカですが、一つ絶対に公共のテレビでは見かけないものがあります。それは女性の裸の胸。胸というより、細かく言うと、「女性の乳首」をさらす事を極端にタブー視しているのです。(ネットフリックス独自のドラマなどでは最近は見せているのもあるようですが)ヨーロッパなどで上半身裸の女性が良くテレビなどに出ているのとは雲泥の差です。数年前に人前で授乳する母親を攻撃する人達が出てきて、その理由が「猥褻だ」とか、「気持ち悪い」などと言うものでした。でも母親が子供に授乳するのは自然の事だし、(人前でするかどうかの議論はともかくとして)「猥褻だ」などと言うのは「あんたの思考回路が猥褻なんじゃないの?」などと言いたくなってしまいます。でも男性は乳首を見せてもOK。その事を皮肉って女性の上半身の裸の写真を載せ、胸の所だけ男性の乳首の写真を貼って、”Don’t worry, these are men’s nipples (大丈夫、これは男性の乳首だから)“ などといった画像なども出回ってました。人を殺すのは平気で見せて良くて人を育む行為はダメ。なんかおかしくないですか?
また、アメリカのおかしなところは寝る習慣。こないだ見た動画でアメリカ人の主婦二人が、「私達は赤ちゃんの時からずっーと自立して一人で寝るように、と育てられるのに、なんで結婚したらずっと他人(つまり夫)とベッドを共にしないといけないの?疲れているんだから一人で寝かせてよ!」 と愚痴っていました。これを聞いて笑ってしまうのは私だけではないはず。日本は添い寝などをして人と寝て育ちますが、逆に結婚してからは夫婦で別寝室で寝てもそこまでおかしいとは思われません。特に子供が小さい時は子供が母親と寝ていて、早く起きて仕事に行き、遅く帰ってくる夫が幼児を起こさないように(もしくは夫のいびきで母親と幼児が起こされないように)と寝室を別にするのは合理的でもあります。でも仲が悪いという事でない限りこちらではまだ夫婦が別に寝る事は普通ではないと見なされるので、いくら夫(もしくは妻)のいびきや寝相の悪さで寝心地が悪くても、夫婦でいる限り一緒に寝なくてはいけないというのはある意味不便ですね。
どんな国も文化もおかしなところや矛盾がありますが、今回は私の思ったアメリカのおかしなところの話でした。
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