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前回の続きです。

幸せな人生を送るためのレシピ①

次のレシピは、

2.人や社会にポジティブに貢献できる人になる事。(それが、自分の仕事や好きな事を通してだったら尚良い)

誰でも、自分の好きな事を仕事にしたい、もしくは毎日やりがいを感じて仕事をできたらどんなにいいだろう、と思うのではないでしょうか?そして、その自分のやっている事が人の為にもなったら??そういう自分の天職を望んでいる人は多いはずです。

私が現在読んでいる「やり抜く力(Grit)」という本は、人は、才能よりも情熱 (passion)と粘り強さ(Perseverance)によって人は成功する、という事を書いています。この本の著者、TED Talkでも出演した事のあるアンジェラ・ダックワースは、世界のトップレベルになった人達の例をあげ、それがミュージシャンであれ、水泳選手であれ、本の著者であれ、トップレベルになった人は元々才能があった人ばかりではない事、むしろ才能は関係ない、と書いています。それでも成功できた人達は、その分野にあくなき興味を持ち、その分野が好きであるが為に人よりも何倍もの継続した努力を続けた結果、そしてやり抜く力(Grit)があった結果だと言っています。つまり、やり抜く力(Grit)を発揮する人ほど、やっている事が天職になる可能性が大きいのです。

私の友達の中にも天職を見つけた人が何人かいます。

一人の友達はアメリカ人で、私が出会ったときは2人の娘さんのシングルマザーで高卒でした。彼女は働きながら夜間の大学に行き、人よりも長い時間をかけて卒業しました。その後父親が自殺し、そのショックを癒すために行ったセラピーのグループで、結婚、家族療法士(Marriage and Family Therapist) という職業の人に出会ったのだそうです。そしてその人のような仕事をしたいと思った彼女は大学院に行き、セラピストの資格を取りました。現在彼女はセラピストとして仕事をしており、つらい境遇で育った人達の助けになるこの仕事にやりがいを感じているそうです。以前から温かい人柄だった彼女を知っている私は、セラピストは本当に彼女に最適な仕事だと思います。

もう一人の友達は日本人で、彼女はアメリカで営業のマネージャーをしていました。とても仕事が出来る人で有名だったのですが、後から本人に聞いた話によると、仕事は頑張っていたけども、どこか自分の人生には何かが欠けているような気がしていたそうです。そんな彼女はある時ボランティアとしてホスピスに行くようになりました。そこでチャプレンという職種の人に出会った彼女は、自分がやりたい仕事はこれだ!と思ったそうです。その後、彼女は会社を辞め、大学院に行き、研修経験を積み、チャプレンになりました。現在はチャプレンとして病院で働いており、営業の管理職をしていた時より収入は減ったものの、自分のやりたい事なので悔いはないそうです。

このように、最終的に、「天職」をしたい人は多いのではないでしょうか。自分のやりたい事で生きていけるのであれば、今よりも収入が少なくても全然構わない!でも自分の天職が何なのか分からない、そう思っている人も、実はたくさんいるのではないかと思います。

私の友人二人の話はどちらも、ある時どこかで、「自分のやりたい事はこれだ!」という啓示、というか、ひらめきのようなものがあって、自分の天職を見つけた話ですが、実は、人生の目的を見つけたすべての人が最初から自分のやりたい事が分かっていたわけではない、とAngelaは言います。
始めた頃は、それが自分の天職とは分からなかった人でも、長く努力してやっていくうちに天職になったり、トップレベルパフォーマーになった人の例を彼女はいくつも挙げています。それらの成功した人々の共通点として、4つの段階があると彼女は言います。

その4つの段階とは、1.興味を持つ、そして2.練習する、そして3.目的を見つける、そして最後に、4.希望を持つ、です。

1. 興味を持つ (情熱の核になるもの)
よく人は、ワクワクする事をみつけよう、とか、情熱を傾ける事の出来るものを探そう(follow your passion)、などと言いますが、興味を持つ、イコール、情熱を傾けられる物やワクワクするものとは限りません。そして、興味があるからと言って自分が得意な物とも限りません。でも、始めは興味を持つことから始まるのです。そして、ここが重要ですが、何事も、興味を持つようになるにはある程度はやってみないと分からないのです。ほとんどの人が天職を見つけたい、と思っていますが、それだけでは足りない、とAngelaは言います。なぜかというと、天職とは見つけるものではなく、自分で努力して、興味を深め、開発していく先に見つかるものだからです。なので、ちょっと興味が湧いたら、ある程度やってみる。そして色々試して楽しんでみる。そうする事で、本格的に興味が湧いて、もっと深くかかわりたくなる。これが第一段階です。

2. 練習する
第二段階は練習です。ここで重要なのが、成功していないほとんどの人が、ここで諦めてしまうという事です。そして、成功している人は、必ずと言っていいほど、練習に時間とエネルギーと努力を費やしています。何事もトップレベルになるには10,000時間の練習が必要、と言われるのはそういうことです。でもただ10,000時間練習すればトップレベルになれる訳ではありません。その練習の内容は、意図的な練習(deliberate practice)でなければ意味がないからです。意図的な練習とは、まず自分の弱点にフォーカスし、それを強化する為に練習する事です。そして練習は一人でする事が重要だとAngelaは言います。一人で練習し、練習後にどこが良く、どこが悪かったかを内省する事が重要だからです。そして無意識にできるようになるまで何万回も繰り返すのです。繰り返し言いますが、ほとんどの人はここで挫折をします。10,000時間というのは1日3時間近く練習し、毎日10年間続ける事です。逆に言えば、才能などなくても、これだけの努力をすれば、才能のある人よりもよっぽど成功するという事です。やり抜く力(Grit)を発揮する、というのはこういう事です。

3. 意義・目的意識を持つ (意義・目的とは、人の幸福 (well-being)に貢献する意図の事)
第3ステージは、目的意識を持つ事だとAngelaは言います。自分の為に頑張るだけでなく、自分の頑張りが人の為になっている、という認識が、頑張る力になるからです。やり抜く力(Grit)を持った人たちは、持ってない人たちと比べて格段に有意義な、利他的な人生を探し求める傾向があるとAngelaは言います。それは、他者への貢献が、自分の存在価値を高めるからに他なりません。私の友人二人の場合も、人の為になる事に貢献する、という意義があったからこそ天職になり得たのではないかと思います。ただ仕事をお金の為にするのではなく、何か人の為、社会の為になるような仕事をする。これが、今私が構築しようとしている生き方です。

でも実は、天職でなくても、どんな仕事でも「意義・目的意識を持つ」と言う事はできます。

こういう寓話があります。
3人のレンガ職人が、レンガを積み上げていました。何をしているのか尋ねられたところ、最初の職人は「レンガを積んでいます。」と言い、2人目の職人は、「私は教会を作っています。」と言い、3人目の職人は「私は神様の為の家を作っています。」と答えました。同じことをしているのにもかかわらず、3人の自分の仕事に対する目的意識が違う事に気づいたでしょうか。最初の職人は、自分のやっている事は仕事(job)だと思い、2人目の職人は職業(career)だと思っています。ですが、最後の職人は、自分のしていることは、仕事や職業を超えた、使命、もしくは天職だと思っているのです。
自分の仕事を天職だと思っている人たちは、「自分の仕事が世の中を良くするのに役立っている」と思ってるそうです。そして、そう言う人達は仕事の満足度も高く、人生の満足度も高いのだそうです。

ですが、Angelaによると、究極的には使命、もしくは天職というものはどんな仕事についているかには関係ないそうです。仕事をしている人が次のレンガを積み上げるのは、単に義務感からなのか、自分の個人の成功に繋がるからなのか、それとも、自分よりも偉大なものに自分を繋げてくれるという目的意識からなのか、考え方によっては、どんな仕事でも天職になり得るという事です。自分が何をしているのであれ、それがどう他の人に繋がるのか、社会に貢献できているのかが分かり、そしてその仕事が自分の価値観を表現する手段だと考える事が出来れば、どんな仕事でもやりがいを見出すことは可能だという事です。

4.希望を持つ
最後のステージは「希望を持つ事」です。「希望」とは、ここでは「自分の努力が自分の未来を良くする事につながる」と思える事です。そう思えるからこそ、7回転んでも、8回起き上がる根性が持てるのです。そして、8回目起き上がると言う事は、8回目起き上がったら今より状況は良くなっている、という希望を持っているという事です。そう思えるには、楽観的である事が重要だとAngelaは言います。楽観的というのは、悪い事が起こった時に、「これは特別な、一時的な状況であって、全部が悪い訳ではないし、この状況がずっと続く訳でもない」と考えられる事です。また、「才能とは生まれつきのものだ」、というような固定した考え方 (fixed mindset)ではなく、「努力をすれば誰でも出来るようになる」という成長、発展の考え方を持つことも大事です。そう思えるからこそ、そして、希望を持てるからこそ、やり抜く力 (Grit) が持てるのです。

長くなってしまいましたが、人や社会にポジティブに貢献できるという事は、Gritの第三段階でも言っている通り、自分が頑張る力になるものです。なので、人の為、というよりも自分の為でもあります。そういう一石二鳥の事を、自分の好きな仕事を通してできたら、幸せな人生が送れると思いませんか?

続きます。

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